医療・介護豆知識

熱中症からスタッフを守る!訪問看護・訪問リハビリ事業所向け実践的な熱中症対策

こんにちは 角田です!
暑さと湿度が上がり始めましたね!
リハビタブルメンバーは真夏でも元気に自転車で訪問をしますが、熱中症には要注意です🌞
2025年6月1日から企業における熱中症対策が義務化されたこともあり、今日はこのお話です!

1. 訪問看護・訪問リハビリスタッフの熱中症対策の基本

訪問看護・訪問リハビリスタッフは、夏季の炎天下、利用者様宅への訪問を繰り返すため、熱中症のリスクに常に晒されています。
自らの健康を守り、質の高いサービスを提供し続けるためには、基本的な熱中症対策を徹底することが不可欠です。
特に、こまめな水分・塩分補給、適切な服装、休憩の確保は、熱中症予防の三本柱と言えるでしょう。

1.1 こまめな水分・塩分補給の重要性

屋外での活動はもちろん、屋内でも熱中症は発生します。
そのため、訪問前、訪問後を通して、こまめな水分・塩分補給を心掛けましょう。
喉の渇きを感じる前に水分を摂ることが大切です。
また、汗で失われた塩分を補給するために、スポーツドリンクや経口補水液、塩飴などを活用しましょう。
水だけを大量に摂取すると、体内の電解質バランスが崩れ、かえって熱中症のリスクを高める可能性があるので注意が必要です。

1.2 適切な服装で体温調節

通気性の良い、吸汗速乾素材の服装を選びましょう。明るい色の服は熱を吸収しにくいため、黒や紺などの暗い色の服は避けましょう。
帽子やサンバイザーなども効果的に活用し、直射日光から身を守りましょう。また、首に冷却タオルを巻くのも効果的です。
屋内では、利用者様宅の室温に配慮しながら、体温調節しやすい服装を心掛けましょう。

1.3 休憩場所の確保と活用

訪問スケジュールに余裕を持たせ、こまめに休憩を取るようにしましょう。
エアコンの効いた休憩場所を事前に確保しておくことが重要です。
また、屋外での移動中は、日陰や涼しい場所で休憩を取るように心掛けましょう。
休憩中は、水分・塩分補給を行い、体温を下げるようにしましょう。無理をせず、自身の体調管理を最優先に行動することが大切です。

2. 猛暑日における訪問看護・訪問リハビリでの具体的な熱中症対策

猛暑日における訪問看護・訪問リハビリでは、スタッフ自身の健康管理に加え、利用者様の安全も確保しなければなりません。
そのため、より一層の注意と対策が必要です。

2.1 訪問前の準備と確認事項

訪問前に以下の項目を確認し、準備を整えましょう。

  • 当日の気温とWBGT値の確認:環境省の熱中症予防情報サイトなどで確認し、危険度を把握します。
  • 水分・塩分補給の準備:経口補水液やスポーツドリンク、塩分タブレットなどを用意します。
  • 服装の調整:通気性の良い素材の服を選び、帽子やサングラスも活用します。
  • 冷却グッズの準備:冷却タオル、保冷剤などを活用し、体温上昇を抑えます。
  • 訪問ルートの確認と休憩場所の想定:移動中の休憩場所を事前に確認しておきましょう。コンビニエンスストアや公共施設などを利用することも検討します。
  • 利用者様の状態確認:熱中症リスクの高い利用者様には事前連絡を入れ、必要な場合は訪問時間の調整や訪問内容の変更も検討します。

2.2 訪問移動中の注意点

訪問移動中は、こまめな水分・塩分補給、休憩を徹底し、自身の体調管理に努めましょう。
状態異常時はすぐに管理者に連絡をすることで、現在地を把握したうえでフォローに向かうことができます。

2.2.1 利用者様宅内での注意点

  • 室温の確認と調整:エアコンや扇風機を適切に使用し、室温を28℃以下に保つよう心がけます。利用者様の状態によっては、室温設定に注意が必要です。
  • 利用者様の水分・塩分補給の確認:利用者様にもこまめな水分・塩分補給を促し、脱水症状の有無を確認します。
  • 体調変化の観察:顔色、汗の量、体温などを観察し、異変があればすぐに対応します。

2.2.2 屋内外移動練習中の注意点

  • 直射日光を避ける:日傘や帽子を着用し、日陰を歩くようにします。
  • こまめな休憩:エアコンの効いた場所で休憩を取り、体温を下げるようにします。
  • 水分・塩分補給:移動中もこまめに水分を補給できるよう飲料を携帯します。
  • 無理をしない:体調が悪い場合は、無理せず休憩したり、練習を中断することも検討します。

2.3 訪問後のケア

訪問後は、自身の体調管理と利用者様の記録が重要です。

  • 水分・塩分補給:訪問後も水分・塩分を補給し、脱水症状を防ぎます。
  • 体調の確認:自身の体調変化を確認し、熱中症の初期症状を見逃さないようにします。
  • 利用者様の状態の記録:訪問中の利用者様の状態や対応内容を記録に残します。

3. 熱中症の症状と応急処置

真夏の炎天下での訪問は、スタッフ自身の熱中症リスクを高めます。
迅速な対処が求められる熱中症の症状と、適切な応急処置を理解しておきましょう。

3.1 初期症状を見逃さない

熱中症は初期症状を見逃すと重症化しやすい病気です。
めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返り、大量の発汗といった症状が現れたら、熱中症の初期症状の可能性を疑い、迅速な対応が必要です。
その他、頭痛、吐き気、倦怠感、虚脱感、集中力の低下、体温の上昇なども初期症状として現れることがあります。
異変を感じたら無理をせず、涼しい場所で休憩を取りましょう。

(引用:厚生労働省 熱中症予防についてのリーフレット)

3.2 適切な応急処置

熱中症の疑いがある場合は、管理者に連絡しつつ以下の応急処置を速やかに行いましょう。

処置 具体的な方法
涼しい場所へ移動 エアコンの効いた室内や、風通しの良い日陰などに移動します。
衣服を緩める ベルトなどを緩め、体を締め付けているものを取り除きます。
体を冷やす 首、脇の下、鼠径部などを冷水で冷やしたタオルや保冷剤で冷やします。衣服に水をかけ、扇風機で風を送るのも効果的です。
水分・塩分補給 意識がある場合は、経口補水液やスポーツドリンク、塩分を含んだ飲み物を摂取します。水だけを大量に摂取するのは避けましょう。
医療機関への搬送 意識障害や痙攣など、症状が重い場合は、すぐに救急車を要請しましょう。応急処置を施しながら、救急隊の到着を待ちます。

これらの応急処置を行っても症状が改善しない場合、または悪化する場合は、速やかに医療機関へ連絡し、指示を仰ぎましょう。 自己判断は危険です。迅速で適切な対応が、重症化を防ぐ鍵となります。

4. まとめ

訪問看護・訪問リハビリスタッフの熱中症対策は、利用者様への質の高いサービス提供の継続に不可欠です。こまめな水分・塩分補給、適切な服装、休憩の確保に加え、訪問前後の準備や移動中の注意点など、状況に応じた対策を徹底しましょう。また、熱中症の症状と応急処置に関する知識を深め、迅速な対応を心がけることで、スタッフの健康を守り、安全なサービス提供を実現できます。

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