リハビリ部門

訪問リハビリ入職前の不安解消!必要な能力と準備を現役セラピストである経営者が解説

こんにちは、角田です!
今回は就職相談会や採用面接の際、求職者から受ける質問の中で最も多い、「訪問リハビリにはどんな能力が必要ですか?」「どんな準備をすればいいですか?」にお答えします!
なお、このブログで
は訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションについて解説します。

【訪問看護ステーションへの入職を検討中の方へ】
入職前に必要な能力や準備、よくある不安とその解消法を、訪問看護ステーションリハビタブルの現役セラピストが分かりやすく解説します。この記事を読めば、スムーズに訪問リハビリ業務に馴染むための具体的な方法が理解でき、自信を持って新たな一歩を踏み出せるはずです!

1. 訪問リハビリとは?

訪問リハビリテーション(以下、訪問リハビリ)とは、病気や怪我、加齢などによって身体機能が低下した方が、住み慣れた自宅で安心して生活を続けられるよう、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職が自宅に訪問し、一人ひとりの状態に合わせたリハビリテーションを提供するサービスです。
訪問リハビリでは、日常生活動作の改善や維持だけでなく、生活の質(QOL)の向上も目指し多岐にわたるリハビリテーションプログラムを提供します。

介護保険制度医療保険制度どちらかの利用が可能で、利用者の状態や目的に応じて適切なサービスが選択されます。要介護認定を受けている方は介護保険、そうでない方は医療保険での利用となります。
※厳密には介護保険を利用していても、訪問看護における別表7、8や特別訪問看護指示書が発行された場合は医療保険利用になります。
参照 厚生労働省

1.1 訪問看護ステーションからのリハビリテーション

訪問看護ステーションでは、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問業務可能であり、在宅医療における重要なサービスを実施していますが、その役割は異なります。
訪問看護は、病状の観察や医療処置、日常生活の支援などを中心に行うのに対し、訪問リハビリは身体機能の改善や維持、日常生活動作や生活の質(QOL)の向上に重点を置いています。
それぞれの専門性を活かし、連携を取りながら利用者様をサポートしていくことが重要です。

サービス 提供者 主な内容
訪問看護 看護師 病状観察、医療処置、日常生活の支援、ターミナルケア、療養指導など
訪問リハビリ 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 身体機能の改善と維持、日常生活動作の訓練、福祉用具の選定と指導、住宅改修のアドバイスなど

1.2 訪問リハビリの提供体制

訪問リハビリは、利用者様、主治医、ケアマネジャーが相談し合い、訪問リハビリの必要性が認められた場合に事業所が選択され開始されます。
事業所によって、提供できるサービス内容や専門分野が異なるため、就職先を決める場合は、各ステーションの専門性や強みを事前にしっかりと確認することが大切です。たとえば、脳血管疾患に特化したリハビリを提供している事業所や、小児リハビリに力を入れている事業所などがあります。

2. 訪問リハビリに必要な5つの能力

訪問リハビリテーションでは、病院や施設とは異なる環境で、多職種と連携しながら利用者様の在宅生活を支援します。そのため、様々な能力が求められます。以下に、特に重要な能力を5つ挙げ、それぞれについて解説します。

2.1 コミュニケーション能力

訪問リハビリでは、利用者様やご家族だけでなく、ケアマネジャーや医師、看護師など、多職種との連携が不可欠です。円滑なコミュニケーションは、質の高いサービス提供の基盤となります。
利用者様の状態やニーズを的確に把握し、ご家族の不安や悩みに寄り添うためには、信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が重要です。また、多職種との情報共有や連携をスムーズに行うためにも、報告・連絡・相談を適切に行う能力が必要です。

2.2 アセスメント能力

利用者様の自宅という、病院とは異なる環境でリハビリテーションを提供するためには、住環境や生活状況、家族構成などを含めた多角的なアセスメントが必要です。
身体機能だけでなく、認知機能や精神状態、社会的な背景なども考慮し、利用者様にとって最適なリハビリテーション計画を立案するためには、的確なアセスメント能力が求められます

2.3 臨床推論能力

限られた情報の中で、利用者様の状態を的確に判断し、適切なリハビリテーションを提供するためには、医学的知識や経験に基づいた臨床推論能力が重要です。
予後予測により、どのような状態へと移行する可能性があるのか。また、利用者様の状態変化に迅速に対応し受診を促すなど、必要に応じてケアマネジャーや医師と連携するためにも、高い臨床推論能力が求められます

2.4 問題解決能力

訪問リハビリでは、劇的な機能改善がみられず維持的に長期に関わるケースは少なくありません。漠然と介入するのではなく、自身のアプローチが合っているのか何度も再評価を行い、PDCAサイクルを回す思考が必要になります。
利用者様の容態が急変した場合や、ご家族との意見が合わない場合など、様々な問題に臨機応変に対応し、解決策を見出すための問題解決能力が必要です。

2.5 応用力と柔軟性

利用者様一人ひとりの状況やニーズは異なります。
マニュアル通りではなく、状況に合わせて柔軟に対応し、個別のリハビリテーション計画を立案・実施するためには、応用力と柔軟性が求められます。また、予期せぬ事態が発生した場合でも、冷静に状況を判断し、適切な対応をするためにも、柔軟な思考力が必要です。

能力 具体的な例
コミュニケーション能力 利用者様やご家族との信頼関係構築、多職種との連携
アセスメント能力 住環境、生活状況、家族構成などを含めた多角的なアセスメント
臨床推論能力 限られた情報から利用者様の状態を判断し、適切なリハビリテーションを提供
問題解決能力 アプローチの見直し、予期せぬ事態への対応、関係者との調整
応用力と柔軟性 状況に合わせた柔軟な対応、個別のリハビリテーション計画の立案・実施

3. 訪問リハビリ入職前に必要な準備

訪問リハビリテーションの仕事に就く前に、スムーズに業務に入れるように準備しておきたいポイントをまとめました。事前の準備をしっかり行うことで、入職後の不安を軽減し、早期に活躍できる基盤を築くことができます。

3.1 説明会や同行見学への参加

入職前に職場環境や業務内容を具体的に知るためには、事業所説明会や同行見学への参加が非常に有効です。実際の現場を見ることで、職場の雰囲気やスタッフ間のコミュニケーション、利用者様との関わり方などを肌で感じることができます。また、業務内容についても具体的なイメージを持つことができ、入職後のギャップを減らすことができます。可能であれば、複数の事業所を見学することで、自分に合った職場を見つけるための比較材料も得られます。
※同行見学は、利用者様の個人情報や会社の機密情報保護により実施していない事業所もあります。訪問分野で働く熱意や見学目的を明確にしたうえで相談するとよいでしょう。

3.2 関連書籍の購読

訪問リハビリテーションに関する関連書籍を読むことで、基礎知識や実践的なスキルを学ぶことができます。特に、アセスメント方法や具体的なリハビリテーション技術、在宅医療に関する知識などは、書籍を通して事前に学習しておくことで、入職後にスムーズに業務に取り組むことができます。また、関連書籍を読むことで、訪問リハビリテーションの仕事に対する理解を深め、モチベーションを高めることも期待できます。
また、日本訪問リハビリテーション協会日本訪問看護財団などからも、関連情報を入手することができます。

4. 訪問リハビリ入職前のよくある不安と解消法

訪問リハビリへの入職を検討する際、様々な不安を抱えるのは当然のことです。ここではよくある不安とその解消法について解説します。

4.1 人間関係の不安

新しい職場で人間関係がうまくいくか不安に思う方は多いでしょう。
訪問リハビリでは、多職種との連携が不可欠です。医師、看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど、様々な職種と関わりながら利用者様にとって最適なケアを提供します。

解消法としては、積極的にコミュニケーションを取り、良好な関係を築く努力をすることが大切です。
事業所説明会や同行見学を通して管理者の人柄を事前に知っておくことも有効です。事業所のチームカラーは管理者の考え方や人柄に影響を受ける場合が多いからです。
また、入職後は、同僚や先輩に相談しやすい環境を作ることも重要です。

4.2 業務内容の不安

訪問リハビリは、病院でのリハビリとは異なる点が多く、業務内容に不安を感じる方もいるでしょう。
利用者様の自宅という慣れない環境でのリハビリ提供、急変時の対応、多職種との連携、計画書や報告書作成など、特有の業務があります。

解消法としては、説明会や採用面接時に毎日・月末月始の業務内容を質問してください。これらを把握することで、業務量が増える時期をイメージし準備ができます。更にはサポート体制を知ることもできます。具体的な業務内容を理解することで、不安を軽減することができます。

4.3 給与や待遇の不安

給与や待遇面での不安は、仕事選びにおいて重要な要素です。
訪問リハビリの給与体系や賞与は、事業所によって異なるため、事前に確認が必要です。各社事業所ごとに昇給の頻度、賞与規定、人事考課制度、キャリアアップ制度、福利厚生など様々な工夫や特徴があります。

解消法としては、面接時に給与や待遇について質問し、疑問点を解消しておくことが大切です。求人情報だけでなく、実際に働く人の声を聞くことも参考になります。

4.4 責任の重さへの不安

利用者様の自宅という環境で、医療行為であるリハビリテーションを提供することに責任の重さを感じる方もいるでしょう。特に、緊急時の対応や判断には、高度な知識とスキルが求められます。

解消法としては、研修や勉強会に積極的に参加し、知識やスキルを向上させることが重要です。また、先輩セラピストに相談しやすい環境を作ることも大切です。一人で抱え込まず、チームで支え合う体制が整っている職場を選ぶことも安心材料になります。

4.5 一人での訪問に対する不安

訪問リハビリでは、基本的にセラピストが一人で利用者様宅を訪問します。
そのため、一人での訪問に不安を感じる方もいるかもしれません。特に、初めての訪問や緊急時の対応など、不安を感じる場面は様々です。

不安 解消法
初めての訪問 管理者や先輩セラピストに同行してもらい、訪問の流れや注意点などを学ぶ。事前に訪問ルートや周辺環境を確認しておく。
緊急時の対応 緊急時の対応マニュアルを熟読し、シミュレーションを行う。緊急連絡先を常に携帯し、いつでも連絡が取れるようにしておく。
道に迷う 事前に地図アプリなどで経路を確認し、訪問前にシミュレーションを行う。ナビゲーションシステムを活用する。

これらの不安を解消するためには、事前の準備と職場でのサポート体制が重要です。 説明会参加時や見学の際に、一人で訪問することに対する不安を相談し、どのようなサポート体制があるのかを確認しておきましょう。例えば、定期的な同行訪問や、電話相談できる体制が整っているかなど、具体的な内容を確認することが大切です。

5. 先輩セラピストからのアドバイス

これから訪問リハビリテーションの世界に飛び込む皆さんへ、「地域の人気者」として現場で働く先輩セラピストからのアドバイスをお届けします。
不安や戸惑いもあるかと思いますが、やりがいと成長に満ちた世界が待っています。

5.1 訪問リハビリのやりがい

訪問リハビリは、利用者様の生活の場に入り、直接的な生活支援を行うことができるため、病院勤務とは異なるやりがいを感じることができます。利用者様やご家族との信頼関係を築きながら、共に目標達成を目指す過程は、大きな喜びと達成感につながります。

5.2 困難と成長

もちろん、困難に直面することもあります。利用者様の状態変化への対応、多職種との連携、自宅という環境への配慮など、病院勤務とは異なるスキルや知識が求められます。しかし、これらの困難を乗り越える度に、セラピストとして大きく成長できるはずです。一つずつ経験を積み重ね、自分自身の成長を実感してください。

5.3 キャリアパス

訪問リハビリテーションの分野では、経験を積むことで様々なキャリアパスを描くことができます。管理職や専門分野への特化、教育指導など、自身の目指す方向性に合わせてキャリアアップを目指せます。自身の強みを活かし、キャリアプランを立てていきましょう。

5.4 多職種連携の重要性

訪問リハビリテーションは、医師、看護師、ケアマネジャー、ヘルパーなど、多職種との連携が不可欠です。チームの一員として、積極的にコミュニケーションを取り、スムーズな連携を図ることで、利用者様にとってより良いサービス提供が可能になります。多職種連携のスキルは、訪問リハビリに限らずどの分野においても必須であり活用できます。

5.5 自己研鑽のすすめ

医療・介護の分野は常に進歩しています。常に最新の知識や技術を習得し、自己研鑽に励む姿勢が大切です。学会や研修会への参加、専門書籍の購読などを通して、自身のスキルアップを目指しましょう。
継続的な学習は、質の高いサービス提供に繋がります。


訪問リハビリテーションは、利用者様の生活に寄り添い、地域社会に貢献できるやりがいのある仕事です。困難もありますが、それ以上に得られるものも多いでしょう。
皆様が訪問リハビリテーションの現場で活躍されることを心から応援しています。

“生活の一部になる”訪問でのリハビリ


6. まとめ

訪問リハビリ入職前に必要なのは、コミュニケーション能力、アセスメント能力、臨床推論能力などです。事前の準備として、見学や関連書籍の購読が有効です。人間関係や業務内容への不安は、先輩セラピストに相談することで解消できます。入職前にしっかりと準備を行い、自信を持って訪問リハビリ業務に取り組みましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リハビタブルでは一緒に地域医療の発展を目指すメンバーを募集しています!
お電話でのご質問も受け付け中♪ ちょっと話を聞きたいというだけでもOK!
あなたが輝ける場所がここにあります!!

採用情報

関連記事

TOP